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中小企業が陥りがちなOJTのカン違い。「仕事を任せる」だけでは社員は育たない


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「ウチみたいな小さな会社は、募集をかけてもいい即戦力が入ってこない」
「経験者と見込んで仕事を任せたら、まったくの自己流で使いモノにならない」

中小企業の経営者に採用や社員教育について聞くと、そんなグチめいた話が飛び出すことがよくあります。

確かに空前の人手不足時代が到来するなか、大企業と比べ、中小企業は諸条件や知名度などで一般的には不利といえるかもしれません。

では、その現実を受け入れたうえで、いかに社員の潜在的能力を引き出し、会社の成長につなげていくか。

私は社員教育や採用の専門家ではありませんが、約10年近く、当事務所でも採用活動を続け、雇用したスタッフが辞めてしまう状況にも何度か遭遇してきました。

まさにトライ&エラーを繰り返してきた経験から、今回は社員の育成に関しての持論を書いてみたいとおみます。

こんなOJTは、社員を腐らせ、会社のムードを悪くする

研修制度などが整備されていない中小企業においては、社員教育は基本的にOJTがベースになるでしょう。

では、OJTとは何なのか。実は、その言葉の解釈から、カン違いしているケースが意外に多いようです。
ありがちな3つのケースを挙げ、解説していきましょう。

1 計画性なく、ただ業務を振っている

OJTとは、「On the job training」の文字通り、「実際の業務を通じて仕事のトレーニングをする」ことを指します。
しかし、実際のところは、「コレやっておいて」と仕事をそのまま丸投げしたり、現場の他の社員に指導を任せっきりにしていたり、ということはないでしょうか。

「いちいち一人の社員のために指導の時間を費やす余裕はない」から、「即戦力となる経験者を雇ったんだ」という意見もあるでしょう。

しかし、経験者というのは得てして、前職での“色”がついているがために、自己流で仕事を進めてしまうリスクもあります。
例えば、大企業でキャリアを積んだ人材であっても、前職でのやり方が中小企業やその取引先相手に通じるかというと、そうはいかないことのほうが多いはずです。

2 仕事を振ったまま、途中のフィードバックなしに“放任”している。

先にも触れたように、普通の業務と、OJTとの違いは、あくまでも目的は“トレーニング”にあることです。

つまり、仕事のやり方をしっかりと見せ、教えたうえで、実践してもらう。その上で、間違いがあれば、その都度、こまめにフィードバックをしていくことが肝要です。

しかし、プレイングマネジャーでもある中小企業の経営者は、忙しさにかまけ、仕事を任せたら、任せっきりということも多いようです。

3 仕事があがってきてから、文句を言う。

「こんなやり方でやってたの?」
「正直、ウチのやり方にはそぐわないなあ」
仕事を任せっきりで放任していたくせに、そんなふうに後出しジャンケンのようにダメ出しをする。
怒る側も大変でしょうが、こうした仕打ちは、当の社員にとって最もストレスがたまるケースです。

とくに経験者であれば、(任せるといったのに)(前の会社では、このやり方でOKだったのに)といったプライドも邪魔し、軋轢も大きくなりがちです。
その結果、冒頭に挙げたように、経験者であるがゆえにプライドが高く、いわば“扱いにくい”社員の一丁上がり。
反抗的な態度を取った上に他の社員に不満を漏らしたり、結局、突然辞めてしまったりと、会社全体のムードが悪くなるような面倒な事態にもなりかねません。

面倒でも、手間をかける。経営者自身が「見せて」「教えて」「伸ばす」

では、OJTを正しく実践していく上で、何が大事なポイントとなるのか。

  • 長期的スタンスに立って、育成プランを考える
  • 経営者自身が仕事のやり方を見せる
  • 間違いはすぐに指摘し(経験者であっても、自己流はしっかりとダメ出しする)、完璧にできるまでしっかりとフォローする

ようは、一緒に帆走することが肝心だというのが私の考えです。

かつて、日本企業は、背中で仕事のやり方を教えるような「暗黙知」が強みだと言われてきましたが、以心伝心ではうまく行かない。ダメなことに対しては、何度でも口を酸っぱくして“ダメ出し”をすることも大事だと思います。

もちろん中小企業の経営者は、日々、自身も業務で忙しく、かつ「最初から叱ると、ヤル気を失ってしまうのでは?」と躊躇する向きもあるでしょう。

しかし、どうせ“後出し”で、社員を叱ったり、グチを言ったりするぐらいならば、最初からできることは全部、人任せにせず、自分自身が「見せて」「教えて」「伸ばす」ほうがずっと効率的なのではないでしょうか。

経営者と社員は“合わせ鏡”。まずは自分を振り返るべし

また、とくに社員が数人規模の小さい組織では、経営者と社員はいわば“合わせ鏡”のようなもの。
口に出さずとも、経営者のビジネスに対する考え方や姿勢は、社員にも伝染していくものです。

よって、「ウチの社員はダメだなあ」と思うならば、まずは自らを振り返るべし。

私自身も、社員が辞めるたびに、仕事のやり方を見直し、今も試行錯誤の途上にあります。
そして、社員の育成に近道はナシ。社員のためにやれることは全力でやる。それが時間がかかっても、後の成果につながってくるという信念のもと、スタッフに向き合う日々です。


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