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「危ない経営者」とは? 楽観主義の経営者が危険な理由


24002005 - successful businessman relaxing in an imaginary office

「開業時に銀行から借り入れをしたんですが、二期目に入って、“決算書を持ってきてください”と銀行から言われまして。何を見て、どんなことを言われるのが心配です」
「そもそも危ない会社の兆候って、数字のどこに表れるんでしょうか」

そんな質問を受けることがあります。
もちろん、借入をしているケースで、赤字を出す際には、その理由も含めて注意をしておく必要があるでしょう。しかし、中小企業の数字を見る際には、小難しい会計の知識はまず不要です。

では、見るべきポイントは何でしょうか。大きく分けると、2つあると思います。

  1. 売上、利益が伸びているか
  2. 新規の取引先、顧客が増えているか

つまり、売上から経費を引いて、利益がそれなりに出ているか。
失なった取引や顧客の数より、新規の顧客が増えているか。
私自身も、月々見ているのは、預金通帳とクライアントの増減のみ。細かい利益の額はともかく、これらが月々プラスであれば大丈夫。単純な足し算、引き算で判断するだけでOKというわけです。

本業が儲かってないのに、副業に手を出す“二足のワラジ”はNG

時おり、「交際費が多い会社は危ない」といった俗説を耳にすることがあります。ですが、交際費の多寡の基準は業種によっても異なりますし、たとえ多くても、利益が出てさえいれば問題ナシと判断できます。

また、「粗利益率を高めるべし」というのもよく耳にします。この考え方も、大企業ならば意味があっても、スケールメリットがないスモールビジネスにおいては当てはまらないケースの方が多い。
スモールビジネスの経営者がなによりも重視すべきは、「率よりも額」。まずは、売上、利益を上げることに専念すべし、と心得るべきです。

こうした数字上の定量的な指標を大前提にしたうえで、ではそのかじ取りを担う経営者はどうあるべきか。次に危ない経営者を判断する「定性的な指標」についても考えていきましょう。

1つめに挙げられるのが、「正解ばかりを求める経営者」。
こういう人は、経営に黄色信号が点滅し始めても、トライ&エラーをするクセがついていないため、なかなか行動に移せない。他人の意見、助言にも素直に従えず、結果、手遅れになってしまいがちです。

2つめは、「一発逆転を狙う人」。
もっと言うと、本業が儲かっていないのに、他の事業に手を出し、挽回しようとする人。最近でこそ、ホリエモン(堀江貴文)の著書『多動力』がベストセラーになりましたが、それはホリエモンだからできることで、誰にでも真似できるものではありません。

副業で稼げるなら、それを本業にしたほうがいいわけで、ヘタに二足のワラジに手を出すと、より傷を深くしてしまうことにもなりかねません。

「悩んでばかりで動かない経営者」は究極の危ない楽観主義者

3つめは、これが一番大事なポイントですが、「楽観主義な人」。
「これ、面白そう」「あれもやりたい、これもやりたい」といった基準で、楽しいことばかりに次々と手を出す人は、いつまでたっても積み上げができず、成功のレベルに達することができません。

メディアなどに登場している成功者を見ると、自分が「面白い!」と思ったビジネスで起業し、お気楽にウハウハ儲けているようなイメージもあります。でも、それはあくまでも成功したからそう見えるだけ。後づけのサクセスストーリーでしかありません。

そうではなく、成功している人ほど、普段の考え方は非常にネガティブだったりするものです。ただし、動くときは楽観的に大胆に動く。これがポイントです。
悲観的に判断するクセがついているからこそ、現状を変えなければと、常に突き詰めてトコトン考えているからこそ、いざアクションに移すときはスピーディーに動くことができる。
クライアントのケースを見ても、このように緩急つけて動ける人こそ、成功しやすいといえます。

逆に一番よくないのは、「楽観的に考えて、アクションが遅い人」です。
つまり、ギリギリになるまで行動を起こさない。

いつも「このままじゃマズいな」「どうにかしなきゃ」と、ずっと悩みながら、なかなか行動を起こさない人がいますが、これは決して悲観主義者ではありません。
実際、自分で気づいていないだけで、内心、「なんとかなるだろう」と思っている楽観主義者だからこそ、行動に移すのが後手になってしまうのです。

厳しい言い方をすれば、「悩んでいるのが好きな人」。こういう人は、いつまでたっても成功できず、達成感も味わえないという残念な結果に終わりかねません。

数字に表れる定量的な指標と違って、定性的な情報や自身の素養は、自分で気づきにくいからこそ、ハンドリングが難しい。
とくに経営者は“裸の王様”になりがちです。私が税理士という仕事の範囲を超え、必要とあれば時に“耳が痛いこと”をも進言するのは、それゆえです。

税理士に限らず、自分が言われたくないことも、しっかりと指摘してくれる“味方”がいるかどうか。これも、決算書の数字をあれこれ見る前に、“危ない経営者”にならないための大事なポイントといえるのではないでしょうか。


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