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フリーランスの「50歳限界説」について考える

目の前の仕事、忙しさに追われてしまうリスク

フリーランスの個人事業主、あるいは一人会社で事業をしているような方から、50歳前後あたりを境に、
「売上がだんだん減ってきまして……」
「今さら新しいことを始める気力もないし、不安です」
そんな御相談を受けることがあります。

なぜ、年齢を重ねると仕事が減ってしまうのか。今回は、巷でささやかれるフリーランスの「50歳限界説」について、考えてみたいと思います。

要因はいくつか考えられます。

まず、外部要因です。取引先が企業の場合、その担当者の方も年齢を経るにつれ現場を離れ、管理職に昇進するようなケースが増えます。つまり、担当者が若返りしていくわけです。若い担当者にとって、外注先が50歳あたりになると、「使いにくい」ということもあるでしょう。よって、仕事を切られてしまう。これは、日本の会社ならではの構造的問題ともいえます。

しかし、主な原因は、やはり自身にあることが多いのではないでしょうか。

内部要因としては、大きく3つが挙げられます。
1つが、「取引先、顧客の数がそもそも少ない」。
これは、年齢に限らないリスク要因です。新規顧客を増やしていかない限り、必ず売上は頭打ちになり、減少していく。いくら大企業をクライアントに持っていても、大口の1社に依存しているようなケースは非常に危険です。

2つ目としては、「スキルアップの努力を怠っている」ことが挙げられます。
たとえば、プログラマーに関して、50歳どころか「35歳限界説」が言われたりします。しかし、システム系のクライアントを見ていても、“下請け”に甘んじず、企業と直接取引するなどで、最先端の技術に触れている人は、年齢と経験を経ることで、逆に報酬がアップしているケースもある。
年齢云々より、意識の持ち方如何に関わる差だと思います。

3つ目が、「目の前の仕事に追われてしまう」こと。
これは“1人でやっている限界”でもあります。1人だから、受けられる仕事にも限界がある。目の前の忙しさに追われてしまう。
また、人を雇うと人件費がかかるため、必然的に売上を伸ばさなければやっていけないところが、1人ならば「売上が下がっても、自分がガマンすればいい」となってしまいがちです。

頑張るしかない状況に自分をムリヤリ置いてみる

加えて言うならば、1人で仕事をしていると、周囲が注意してくれることもない。特に年齢が上になればなるほど、何かあってもまわりはますますアドバイスを言いにくくなります。
気の緩みから、仕事のレベルが下がっていても、仕事相手が苦言を呈してくれることもなく、気が付いたら自然とフェードアウトされていた……というのが現実です。

もちろん、もう1つ外部要因を挙げるならば、時代の変化もあるでしょう。どんどん新しいテクノロジーが登場し、かつては特別なスキルだったものがすぐに陳腐化してしまう。
こうして「なくなっていく仕事」「破壊されていくビジネスモデル」は今後も増えていくことでしょう。

まさに仕事そのもののパイが減っていくなかで、いかに恒常的に新たなビジネスチャンスを獲得していくか。

残念ながら、そこには「これをやればいい」という特効薬は存在しません。
あえて言うならば、いつもバットを振り続けること。常に本番の“打席に立ち続けること”が肝要です。

冒頭のように「仕事が減ってきて、どうしよう」と不安を抱えている人でさえも、では「何かアクションを起こしているか?」というと、なんとなく素振りをするだけで濁していたり、打席に立つフリだけをしていたり……と、きちんとした実行力が伴っていないケースも多く見られます。

無論、人間は怠けたくなる動物です。特にフリーランスは、1人で細々であればなんとか食べていけるゆえ、落とし穴にはまりがちです。
ならば、無理矢理でもいいので環境を変えてみるのも手。いきなり人を雇うまでもいかなくても、関わる人や、出逢いを増やし、新しい状況に身を置いてみる。「がんばらざるをえない」状況に自分を追い込むことも大事だと思います。

私自身、自宅で1人で税理士業務をやっていたころと、事務所を構え、スタッフを雇用するようになった今とを比較すると、「1人のままだったら、今のようには頑張ることはできなかっただろう」とつくづく思います。

成功するのに絶対的な法則はありません。ならば、確信がなくても下に落っこちないように、一生懸命、木を登っていくしかない。そうしたら、いつの間にか頂上に到着していた。サクセスストーリーの多くは、そういうものではないかと思うのです。

まずは、「もう50歳だし……」などと年齢を言い訳にすることなく、あがいてみる。
やれることをすべてやってみる。
その先にこそ、突破口が見えてくるのではないでしょうか。

PHOTO: 123RF

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