企業・開業資金Funds

SHARE

後で読む

法人化のメリットとは? 会社を複数持つ意味を改めて考える 

法人化のメリットとは1

法人化するべきか、個人事業主として仕事をするべきか。そういった質問を受けることはたびたびありますが、さらに事業が軌道に乗ってくると、会社を複数持つべきか。セカンドステージとして、法人を複数持つ意味について解説していきます。

――現在、小さな会社を経営していますが、新たに事業を立ち上げたいと考えています。「別の法人を作るほうがいい」と聞くことがありますが、本当でしょうか

五島 結論からいえば、新たに会社を作ったほうがおトクなことが多いのは確かです。大きな理由は3つ。まずは「税率の優遇」が挙げられます。

ご存知の通り、個人の所得税は累進課税です。所得が上がるにつれ、段階的に税率が上がって最終的には55%になる。法人税にも同じような仕組みが存在します。

法人税は、①法人税②法人住民税③法人事業税という3つの柱で成り立っていますが、そのうち①と③は累進課税です。

中小企業の場合(資本金1億円未満)、課税所得800万円未満なら法人税の減税率が適用されるため、合計の税率は24%前後~38%程度と10%以上税率が変わってきます。つまり、会社を分けることで「税率を低く抑えることができる」ケースがあるというわけです。

2つ目として、交際費がかさむ業種にとっても大きな利点があります。
中小企業では、交際費は800万円まで経費として認められています。ですから、仮に年間1500万円の交際費を使った場合、残りの700万円は利益としてみなされ、税率を30%と考えても210万円を税金として支払わなくてはいけません。そうした場合に会社を2つ持っておけば、800万円×2=1600万円分の経費が使えることになります。

3つ目のメリットは、「最大2年間の消費税免除」です。一定の要件をクリアする必要はあるものの、経営者にとって、事業を立ち上げる際に消費税が免除されるというメリットは非常に大きいものです。今は、少額で会社を設立でき、会社を複数持つハードルが下がっている点からも、検討の余地は大きいといえます。

法人化のメリットとは2

―会社を分けることでデメットもあるのでしょうか?

五島 たとえ会社の業績が悪くても、年間7万円の税金はかかります。さらにいうなら、会社を分けることで規模が小さくみえてしまい、資金調達の際に融資が受けにくくなる可能性があるということでしょうか。しかし大抵の場合は、業績の実態をみてくれるケースが多いため、大きな問題はないと考えます。

ここまで税制面でのメリットデメリットをお話しましたが、実は、私が分社化をおススメする理由はもうひとつあります。それは、従業員の意識を高めたり、人材育成に繋がる可能性が高いということです。

―どういうことでしょうか?

五島 例えば、従業員を代表にするケース。実質的には子会社となるものの、社長というポジデョンに就くことで意識が高まるパターンはよく見られます。

“立場が人を作る”といいますが、社長というポジションにつくことで、視座が高くなる。経営が自分の采配にかかってくるわけですから、本気度も違ってくるのです。

―従業員を社長にした場合、金銭面のチェックはしっかりしておきたいという気持ちもあります。モチベーションを保たせつつ、うまく管理をする方法はありますか?

五島 そうした時こそ、税理士をうまく活用してください。別会社にする以上、お金の管理も任せなければ効果は半減。資金を親会社に管理され、動かすことができないのでは、実質的に雇われているのと変わらないため、不満が募り、モチベーションを奪ってしまう。

とはいえ、親会社としては不安も大きい。そうした時に、税理士を介して定期的に別会社の経理をチェックしてもらうことで、独立性を保ちつつ、資金面の管理を行うことができます。

業績アップを考えるならば、人材の確保、そのモチベーションをいかに維持していくかが肝要。別会社を立ち上げることで、節税メリットだけでなく、人を育てる。そういった視点を持つことが、長期スタンスで業績の差につながってくるのではないでしょうか。

毎月3名限定で無料相談を行っています。

五島洋税理士事務所では、
毎月3名限定で無料相談を実施しています。
お気軽にお申し込みください。
第1金曜日:セカンドオピニオン
第3金曜日:起業相談

webでのお申し込み

※こちらのボタンを押しても
お申し込みにはなりません。ご安心ください。

この記事が気に入ったら
“いいね” しましょう!

社長のための経営相談所の最新記事をお届けします。

関連記事related articles