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融資を受ける際の“借りどき”は、どうやって判断する?

36229636 - businessman takes bag of money from another businessman.

融資を巡る判断が、経営の明暗を分けることもアリ!

「融資を受けるのか、受けないのか」、さらに「受けるならいつにするか」。
その選択、経営判断は、事業のあり方を大きく揺るがしかねない転機になりうるものです。

今回は、融資について、受ける際の考え方、注意点について、3つのポイントを挙げ、解説していきます。

ポイント1 融資を受けるなら“早め”が肝心。創業前に、融資が必要か否かを決める

まず、大事なポイントは、創業前に融資を受けるか否かを決めるということ。

その判断基準としては、何の事業をやるのか。業種によっても変わってきます。
たとえば、仕入れが多いアパレル、飲食店など初期投資がかさみがちな業種の場合は、自己資金だけではまかなえないケースも多いでしょう。

一方、パソコンひとつ、自宅でスタートできるようなデザイナーなどは、必ずしも融資を受ける必要はないと思います。

ただし、自己資金が潤沢にあっても、「半年ぐらいの運転資金が心配だ」「売上の見込みが不確定」「いずれは融資を受ける可能性がある」と考えるならば、“早め”に受けておくことが肝心です。

なぜか。融資を受けるなら創業時がベストだからです。

もし、「創業後、事業の様子を見てから、必要なら借りよう」と思っていても、事業が開始してしまうと、その実態によって審査が判断されることになります。
つまり、ある程度、事業が軌道に乗っており、売上・利益が出ていないと、審査が下りないというケースもあるのです。

私のクライアントでも、創業時に融資は不要だったものの、“念のための予備資金”として借りておいたおかげで、その後の予想以上の経営難を乗り切ったケースもあります。
一方で、「自己資金だけで賄える」と自信満々で起業したものの、半年間、泣かず飛ばすの状況が続き、あわてて融資を申し込んだが、審査が下りなかったというケースもあります。

また、創業時は政府や金融機関、地方自治体が提供する新規開業資金支援制度を利用できるチャンスも多い。

後から「しまった、借りておけばよかった」とならないよう、少しでも不安があるならば、借りておくことをお勧めします。

ポイント2 中小企業が金融機関から融資を受けるルートは2つに限定

金融機関からの融資に際し、誤解されがちなポイントについて触れておくと、中小企業・小規模事業者が融資を受ける際のルーツは、2つに限られるということです。

日本政策金融公庫と民間の金融機関の保証付融資です。
以下、その特徴を挙げましょう。

①日本政策金融公庫
政府100%の政策金融機関。国の方針にそって、セーフティネット貸付や創業支援などを実施している。

②民間の金融機関の保証付融資
公的な保証人として信用保証協会が保証を実施し、借入主が返済不能になった際に、貸出をした金融機関に対し、債務を弁済する。
(*信用保証協会……中小企業や個人事業主が金融機関から事業資金を調達する際に、保証人となって融資を受けやすくするために、設立された公的機関)

つまり、銀行が直接、貸付を行なう、いわゆるプロバー融資は新規開業時や中小企業に対しては、門戸が開かれていないと考えるのが基本です。

よって、②の選択肢をとる際に、注意しなければならないのは、信用保証協会の審査を通らない限り、どこの民間金融機関でも融資は受けられないことです。

各自治体が実施しているような開業支援においても、その大半は政策金融公庫か民間金融機関の保証付融資です。“入口”が違うだけで、融資のルートは基本的に先の2つになります。

よって、開業支援を受けるにせよ、直接、銀行に融資を申し込むにしても、“最初”の印象および手続きがその明暗を分けます。事業計画書や必要書類をしっかりと揃えるなどの準備を怠らないことが大事です。

ポイント3 借りないでやりきるならそれもよし。大事なのは自分で決断すること

もちろん、実際に融資が不要な方もいらっしゃれば、なかには「借金は絶対にイヤだ」という思想の方もいらっしゃるでしょう。

私は、新規開業のクライアントに対しては、必ず「融資を受ける予定がありますか」とお尋ねするようにしていますが、最後の判断をするのは経営者自身です。

そのうえで、「絶対に借りない」と決めても、後から「もっと事業を拡大したいから、融資を受けたい」と考えるなら、2~3年、がんばって売上をあげ、決算書の数字をよくすることに注力すれば、再チャンスを呼び込むことも可能です。

実際、私のクライアントのケースでも、創業時に、自己流で政策金融公庫に融資を申し込んだところ、あえなく断られた方がいます。
しかし、数年経って、「また新たな事業をスタートさせたいので借入をしたい」と、私の元に相談にみえました。

そこで、一緒に計画を見直し、提出書類の書き方や希望融資額の設定についても助言をしたところ、見事に融資を引き出すことに成功したというケースもあるのです。

これも経営者自身の信念があったからこそで、あくまでも私の役割は、そのサポートです。

目先の判断で「借りるべき? 借りないべき?」と迷う前に、まずは事業のゴール、自身が目指す目標を見据えることからスタートすることをお勧めします。

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