税理士変更は事業年度の途中でも問題ナシ! 料金形態についてはしっかり確認を
「経営全般についてもっと気軽に相談したい」「顧問料を抑えたい」「同世代で話しやすい税理士を探している」――様々な理由から、顧問税理士の変更を検討しながらも、今一歩踏み出せずにいるという方も多いのではないでしょうか。税理士変更にあたり、どんなステップを踏めばいいのか。私自身のスタンスも併せ、お話しします。
税理士なんて誰に頼んでも同じ!?
「特に大きな不満があるというわけではないんだけど、可もなく不可もなくというか……」。
「毎月、なんとなく顧問料を払っているけれど、それに見合ったサービスを受けられているかというと……」。
そんな潜在的な不満を抱えつつも、いざ税理士の変更となると、
「長くやってもらっているのに、申し訳ない」、単純に「言い出しにくい」といったような理由で、二の足を踏んでしまうという人も少なくないのではないでしょうか。
なかには、「税理士なんて、誰に頼んでも同じだろう」とお考えの方もいるかもしれませんが、“相談のしやすさ&しにくさ”といったちょっとした違いでも、経営のあり方に大きく影響しかねないのは、他コラムでも触れた通りです。
税理士変更の手順は意外にカンタン
では、実際に顧問税理士を変更する時には、どういうステップを踏めばいいのか。
まず、変更のタイミングについては、契約時に交わした契約書をチェックしましょう。
基本的には、そこに謳われている規定に基づいて税理士に解除を告げるのがセオリーです。
できれば、決算を区切りに変更し、引き継ぎをするのが一番スムーズですが、決算月まで何か月もある、現在の税理士にどうにも不満があるといった場合は、事業年度の途中で変更しても問題はありません。
「次の決算までガマンしよう」と思っていると、そのままタイミングを逃してしまうことも。迷ったら、まずはセカンドオピニオンで“お試し”してみるのもお勧めです。
緊急の依頼を受けてもらえるかどうかも税理士検討のポイントに
「決算まであと10日しかないけれど、引き継ぎをお願いできますか!?」
私の事務所にも、時折、そんな切羽詰まった依頼が来ることがあります。
渋る税理士が大半かもしれませんが、私は「いつどんな時でも引き受ける」が信条です。
通常、税理士というのは、月末になるほど忙しさが増すものです。会社の決算をはじめ、さまざまな締切が控えているため、膨大な量の書類作成に追われて突発的な仕事を入れる余裕などないのが通常です。
しかし、他コラムでも触れましたが、仕事の効率性を追求する上で、月の前半にクライアント訪問の予定を集中的に入れ、月後半はなるべくブランクにしておくというのが、私の仕事のスタイルです。
既存のクライアントの方々からの急な相談ごとを含め、さまざまな緊急の依頼に備え、あらかじめスケジュールを開けているのです。
中小企業の経営とは、大海原を小舟で乗り出していくようなもの。いつ、なんどき嵐に巻き込まれるかは誰にも予測できません。
こうしたピンチの時にこそ、即、対応してくれるかどうかも、税理士の素養を見極めるポイントとなるのではないでしょうか。
いつ、顧問料が発生するかもチェックすべし!
また、めったにないことですが、税理士変更にあたって、契約上、相手の税理士との間で金銭的な問題や、帳簿の受け渡しなどでトラブルが生じ、契約の解除に手間取ることもありえます。
当事務所では、契約前のご相談については料金をいただいておりません。
思わぬ相談料を請求されたり、顧問料を二重で支払ったりといったことにならないよう、顧問料を始め、料金形態についても事前にチェックすることが肝要です。