資本金トラブルで倒産の危機も!? 代表者1人で100%持つのがいいワケとは
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会社創設時に必要な資本金。今や、1円からでも会社を興せる時代ですが、資本金の額によって会社の信用度が決まるともいえる大事なポイントでもあります。また、資本金の額の分担によっては、あとで会社の存続をゆるがす大問題に発展することも。そのワケを解説していきます。
資本金は取引先、職種によって変わる
――会社を興す際に、資本金の額はいくらに設定するのがいいのか。基本的な考え方を教えてください。仲間と一緒に、1000万円ぐらいは用意したほうがいいのではと考えていますが……。
五島 以前は、株式会社を設立する際には1000万円が必要だったため、一つの目安に考える方も多いようですが、資本金を1000万円にすると設立初年度から消費税の課税業者となり消費税がかかることになります。
消費税の課税業者になるか否かの条件は、2期前の売上によって判断されますので(1000万円以上になると課税業者と判定)、大規模な設備投資を予定していて、消費税の還付を受けたいなどといった場合以外は、2年間免除の特典を享受する上でも、資本金は1000万円未満に設定するのが望ましいでしょう。
ただし、取引先やその付き合い方によっても、望ましい額は変わってきます。
たとえば、取引先が大手の場合、決算書を求められる可能性があるため、一定の額を積むほうがいいと考えられます。
また、大手の取引先はいなくても、ネットショップがメインという場合も同様。取引先から資本金を調べられる可能性があるため、あまり低すぎる額は避けたほうがいいでしょう。
――取引の条件として決算書を見たりすることがあるんですか?
五島 あります。資本金は会社の体力、規模と考えられるため、資本金があまりに低い額の決算書だと先方から取引する相手にふさわしいのかを考えられてしまうことも。もちろん、手元にキャッシュがないのに無理するのは禁物ですが……。
仲間との分割はトラブルの元! 基本は代表者1人で100%出資
――たとえば、仲間5人とやるならば、出資額も、平等に5分割したほうがいいですよね。
五島 それはオススメできません。
最初は良くても、会社が成長するにしたがって、仲間内でもめごとが起きるリスクがあるからです。
基本は代表者を決めてその人が100%出資し、株式もすべて1人で持つ。全額出資ができない場合は、66.7、つまり3分の2以上持つ。最低でも、半分は代表者一人が持ち、残りを他の社員で割って持つのがオススメです。
実際、資本金100万円の会社で、途中でケンカ別れをしたようなケースもあります。その際、本店を移転して住所変更をしたいのに、株式の50%を持っていないため、経営の決定権がない。連絡をとって、了承を取ろうにも、連絡先もわからないという事態もよくあります。
会社が目指す方向をも見据え、資本金、出資額を決めるべし
――いくら仲がよくても、そういうリスクもあるんですね……。1人が50%以上持っていたら大丈夫なんでしょうか?
五島 変更する内容によっては、法律で3分の2以上持っていないと変えられないという場合もありますので、基本は100%持ったほうがいいですね。
もし手持ちがないという場合は、お金を借りることにする手もあります。
たとえばAさんが100%持つ場合、一緒に会社をやる予定のBさんにお金を借りる。
それほど資本金を積まなくていい会社だったら、無理して1000万円といった大きな資本金に設定する必要もないのですから。
まとめると、友達同士でやると最初こそうまくいってもあとでもめることも。その際のリスクを考えて、代表者を決め、その人が100%の株を持つ。仲間を取締役にするのはいいですが、株主にするのは避けるのがベターです。
手元に持っているお金の額だけで判断するのではなく、会社が目指す方向も見据え、資本金の出資額、出資者については、長期スタンスで考えるようにしましょう。