経営者必読!「儲ける仕組み」を構築するための、4つの考え方のヒント
「まず、儲ける仕組みを作りましょう」。
当サイト、クライアントに対しても、そうくり返し申し上げてきました。
とはいえ、どうやったら、儲かる仕組みを構築できるのか?
そこには、「これをやればOK」という決まった正解はないということを前提に、私なりの経験も踏まえ、4つのヒントをご紹介したいと思います。
まず、中小企業の経営者が陥りがちな状況として挙げられるのは、ついつい目の前の仕事を片付けることのみに追われてしまうこと。
これでは、気付いた時には「働けど、働けど、儲からない」という悪循環に陥ってしまいかねません。
さらに、とくにビギナー経営者に見られる言動として、何より大事な売上をあげる以前に、“体裁”を整えることに目が行ってしまうことが挙げられます。
例えば、
・社員のモチベーションを上げるにはどうするか。
あるいは、
・経営を改善するために、財務分析をどう実践していくか。
などなど。
“儲ける仕組み”ができ上がっていない状態で、いかに社員が汗水たらしてがんばっても、徒労に終わってしまいかねません。
「利益率はいくらか」といった財務の知識や、節税策なども、利益が出始めてから、考えるべきポイントでしょう。
では、何から考え、着手すべきか。ここから4つのポイントを挙げていきましょう。
① 競合が少ない“ブルーオーシャン”を探す
「どうせ自分で事業をやるならば、好きなこと、得意なことで儲けたい」。
そう考える人が多いと思います。しかし、例えば飲食店や雑貨店、あるいはデザイナーといったクリエイティブな分野は、人気が高く、競合も多いものです。
さらに、飲食店などは、一時期は流行っても、業態がマネされやすく、よっぽど才能や才覚がなければ、恒常的に儲かり続ける仕組みが作りにくい。いわゆるレッドオーシャンな領域といえます。
そうでなくて、いかに競合が少ないブルーオーシャンな領域、仕組みを作るか。
そのためには、時には、自分にとってあまり好きではないけれど、社会的ニーズがある分野に目を向けてみることも肝要です。
好きなことに着手するのは、儲かって、資金的余裕ができてからでも遅くありません。
② 目先の利益より、長期的視点で、ブレないビジネスモデルを作る
例えば、飲食店で儲かるためにはどうするか。
というと、「割引クーポンを配ろう」「キャンペーンやイベントで集客しよう」といった施策に走りがちな傾向も見られます。
しかし、それはあくまでも小手先のワザであって、儲かる仕組みにはつながりません。たとえ、一時的に売上がアップしたとしても、長期的な効果は望みにくいといえます。
逆に、安さに魅かれた一見客がつめかけ、オペレーションが悪くなったり、優良な常連顧客が離れてしまったりという逆効果にもつながりかねません。
儲かる仕組みを構築するには、目先の利益ではなく、まずは顧客のためになることを考える。時間がかかっても、顧客満足度を上げることこそが、事業拡大につながるものです。
たとえば、手前味噌な事例ですが、私はクライアントのニーズに合わせ、保険商品をご紹介する際に、保険会社から一切の手数料をもらわないことをモットーとしています。
多くの税理士事務所は、一定の保険会社と契約をし、顧客に商品を紹介することで、販売手数料をもらう保険代理店業務を実践しています。
しかし、私は手数料をもらわない代わりに、「しっかりとクライアント視点で、いい商品を紹介し、サポートしてください」と、担当者に伝えるようにしています。
長期的視点で考えるならば、金銭の受取をなくすことで、保険の営業担当ともいい緊張感を持ったつき合いができる。
さらに、クライアントをしっかりとフォローをしてもらうことで、クライアントは「いい人を紹介してくれた」と喜んでくれる。
時間をかけて、信頼できる人脈を作り、クライアントの満足度アップにつなげていく。結果的に自分の仕事に対する評価につながることこそが、大事だと考えています。
③ 常に考え続ける。時には「朝令暮改」も必要
さらに、一度、仕組みを作ればOKではなく、時代が変われば、正解がガラリと変わってくることもありえます。
私のクライアントの事例を挙げると、某企業の社長は、好業績を維持しつつ、「日夜、次の儲けるためのスキームを考えている」といいます。
よって、一度、仕組みを構築しつつも、その方針をガラッと変えることもたびたび。
たとえば、社員が100人の時のスキームと、200人になった時のスキームは変わってくる。さらに時代が変われば、正解も変わる。その社長は、リーマンショック以降、営業のスタイルも大きく変えたといいます。
とくに変化のめまぐるしい時代にあっては、時には朝令暮改も辞さない覚悟が必要です。
④「ウマい話」を探すより、まずは地道にパイを広げる
儲ける仕組みを作る上で、業界・業種に関係ない普遍的なルールをもう一つご紹介しましょう。それが「まずはパイを広げるべし」。
たとえば、いくら売上が順調でも、その構成比が2社しかないという場合。取引先が大口であっても、1社に切られてしまったら、売上は半減。
貴重な取引先を失わないがために、提示された取引条件の言いなりになるしかないという状況にも陥りがちです。
こうしたリスクを失わないためには、ひとつひとつの売上は小さくても、10社、20社と取引先を増やすべし。
リスク分散に加え、関与先が多いほど、口コミ効果や、紹介による売上拡大も望めます。
これら4つのポイントに共通するのは、効果が出るまでに、時間を要すること。自社に合った仕組みを作るためには試行錯誤も必須です。
私も、何度もの失敗を重ね、今があります。
ぜひ時間をかけ、失敗を恐れることなく、コツコツと自社に合ったスキーム構築にトライしてください。
Photo:123RF