「税理士選びへの道・我が社の場合① 後半」3人の税理士を経て、ようやく何でも話せるパートナーを見つけました
税理士に求めるモノが、経営者によってそれぞれであれば、税理士のあり方も“百人百様”です。ならば、いかに自分に合った税理士を選ぶべきか? これまで4回、税理士を変更したという経験を持つ「ひかり整骨院」を経営する高橋和之・恵さんご夫妻にその経緯を語ってもらいました。
ひかり整骨院
1993年 高橋整骨院(現ひかり整骨院)開院。けがや障害からの回復だけでなく、健康増進、障害予防、スポーツ競技力向上など「ウエルネス(wellness)」の概念に基づいた体づくりをサポート。現在、埼玉県の蓮田市と上尾市に二院展開。
経営の視点から助言をしてくれる姿勢に共感を覚えた
(前半はこちら)
恵 3回の失敗を経て、今回は、これまでの教訓を活かし、近所じゃなくてもいいから、「相談しやすそうな方」、懐事情もきびしいなか、「顧問料が安価な方」という条件で、ネットでリサーチ。2~3名、候補者をピックアップしました。
もちろん、「これまでの事情を理解した上で引き受けてくださる方じゃないと」という思いもあり、サイトのフォームに事情を長々と連ね、最初にアクセスしたのが五島さんでした。
すぐに電話がかかってきて、「とにかく会ってお話を聞かせてください」ということで、お会いして、数時間話した後、「ぜひ五島さんにお願いしたい」。そう心から思えたんです。
高橋 決め手となったのは、「こういうふうに経営していきたい」というこちらの思いにしっかりと耳を傾けてくれた上で、「全面的にサポートしますよ」と言ってくださったこと。
B先生も、決して会計や税務の面では、間違ったことをやっていたわけではないと思うのですが、後から考えるに、会話がつねに税務署寄りの目線なんですね。率直に表現すると、保身に走っているというのか……。
そこが五島さんは、圧倒的に違っていた。常に経営の視点から「こうしたほうがいい」と助言をしてくれたんです。
税理士に求めるものは人それぞれで、「数字だけ見てくれればいい」「決算だけやってくれればいい」というニーズならば、B先生のような方でもいいと思います。
けれど、私は経営という側面からも、いろんな話、相談ができる方がいいと考えていました。経営者って孤独じゃないですか。ようやく、経営のパートナー、味方を見つけることができたと確信しました。
月1回、会計ソフトのコーチを受け、数字アレルギーも克服
恵 「経理について勉強したい」という私の思いを汲んでくださったのも大きかったです。
当社は、本来、訪問ナシの顧問料月1万円の一番安価なコースなんですが、月1回、来所する分には、会う時間を作ってくれるとのこと。会計ソフトの使い方も、イチから指導してくれるといってくださったのは、すごく心強かった。
最初の2~3か月は、「とにかくやってみましょう」と。
とはいえ、会計の知識がないまま、課題となる作業を進めていくのは、正直ツラかった。
でも、わからないなりに、なんとか入力して、月1回、五島さんに見せ、修正・指導してもらう。
最初は間違いばかりで、内心、(コイツ、大丈夫か)と思われていたかもしれませんが、毎回、できていないところを修正した上で、トンチンカンな質問も聞いてくれて、最後に必ず「なかなかがんばってますね」と言ってくださる。
「またがんばろう!」と、メンタル面でも支えてもらい、今は随分、入力作業にも慣れてきました。
高橋 もちろん、ホメてくれるばかりじゃなくて、ダメ出しをしっかりしてくれるのも五島さんならでは(笑)。
いくら思いがあっても、そこに具体的な目標、とくに数値目標がないと、売上につながっていかない。経営は成り立たない。そこはいつも厳しくツッコミを入れてもらっています。
整骨院、柔道整復師の存在意義をしっかりと確立していきたい
恵 そんなアドバイスを受けて、新しい取り組みもスタートしています。
「ひかりランニングクラブ」という、患者さんぐるみのサークル活動のようなものなのですが、マラソンのセミプロ選手の当院(上尾院)の院長を中心に、ウェブなどを介し、マラソン仲間の患者さんが一緒に走るなどの交流がスタートしたんです。
高橋 ならばもっと大々的にイベントとしてやろうと考え、このランニングクラブの構想について、五島さんにも相談しました。
最初は、参加者から会費を取るつもりだったのですが、「儲けるのは本業であって、そこは無料でやったほうがいいのでは?」と言われ、確かにそうだ、と。
恵 結果、参加者も増え、タイムを狙いたいセミプロ志望の方から、「会費をとる上級者クラスを別途作ってほしい」と言われ、今は初心者クラス、上級者クラスの2クラスで、月1回開催しています。
院長だけでなく、スタッフ全員も参加することで、院内の交流も密になり、士気向上も実現。地元密着で、当院の認知度アップにもつながっています。
高橋 こうした新しい取り組みをも通し、整骨院、柔道整復師の存在意義をしっかりと確立し、業界としてもベンチマークとなるような企業にしていく。それが私の目標です。
そのためにも、五島さんの“アメとムチ”の助言を励みに、地元で愛される整骨院にしていきたい。そう2人で決意を新たにする日々です。