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2店舗目が失敗しやすいワケは?店舗拡大で失敗しないための鉄則

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独立して初めてオープンした店が絶好調。この勢いに乗って2店舗目も出店しよう――。拡大志向の経営者ならば、誰しもそう考えることでしょう。しかし、2店舗目で失敗し、会社そのものが勢いを失うケースは少なくありません。店舗拡大で失敗しないためには? そのポイントを考察します。

良い人材、良い物件の両方を獲得する難しさ

飲食やマッサージなど、店舗が必要なビジネスは、複数の店舗を展開しないと、大きく稼げません。自分の食い扶持だけ稼げればいいなら1店舗で細々とやるのもアリですが、事業を拡大したいなら、生み出した利益をどんどん再投資するべきです。

しかし、2店舗目を出店して失敗した経営者を、私はたくさん見てきました。

たとえば、よく見られるのが、「立地の良い空き店舗を見つけたから」といって、その店を任せられる人材が育っていないのに、強引に出店してしまうケースです。
確かに、店舗は立地が重要な上、良い物件は少ないので、見つけたら即座に押さえることが重要ですが、人が育っていないと、低いレベルのサービスしか提供できず、立地が良くても、お客様から見放されてしまいます。

閉店した店舗を買いあさり、年間数十店舗の驚異的なペースで店を増やしていた飲食店チェーンが、今や見る影もないほど縮小した……。こんなケースは少なくありませんが、大半の原因は人材育成が追いつかなかったことでしょう。

では、店長になれるような人材をしっかり育ててから、空き店舗を探せばよいかというと、そうともいえません。
とくに飲食店がそうですが、店長クラスの優秀な人材は独立志向が高いことが多く、空き店舗を探しているうちに、モチベーションが保てなくなり、独立してしまうことが少なくありません。

勢いのあるうちに出店したほうが良い

では、2店舗目を出店しても失敗しないためには、どうすれば良いのでしょうか。

ケースバイケースではありますが、多くの場合、私は積極策をすすめます。
具体的に言えば、「1店舗目が好調なうちに、好立地で家賃も手頃な空き店舗が見つかったら、人材が育ち切っていなくても、出店すべき」だと考えます。

とくに東京はそうですが、好条件の空き店舗はめったにありません。見つけたら、なんとしても確保すべきです。また、2店舗目の物件を探している間に、1店舗目が失速することもありますから、好調なうちに出店したほうが良いでしょう。

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「初期投資を何年で回収できるか」を考える

ただし、勢いだけでは失敗しますから、冷静な視点を持ち合わせることも必要です。

必ず実行すべきなのは、「初期投資を何年で回収できるか」を計算すること。月々の売上と支出を予想して利益を計算し、初期投資額がペイできる期間を算出するわけですね。

たとえば飲食店なら、3年間ぐらいで回収するのが理想。最近の消費者は飽きっぽいので、決して短くはありません。7~10年では長すぎます。
そのときには「売上見込みを低く見積もること」も重要です。「居酒屋で、客単価5000円で、毎日3回転」と楽観的な見込みをしていたら、失敗する可能性は高い。

こうして計算し、回収するまでに時間がかかると分かったら、2店舗目の出店はストップしたほうが無難です。どうしても出店したければ、初期投資を抑えることを考えましょう。

かつて顧問契約をしていた飲食店が、高価な設備を設置したことで、初期投資がはね上がり、1年持たずに閉店しましたが、こうしたミスは避けなければなりません。
また、いざ閉店を決意した際、この設備のせいで、原状回復代に300万円がかかることが判明。
しかし、オーナーにそんな資金はなく、撤退が遅れたことで家賃などのランニングコストがさらに重くのしかかることとなりました。
出店時のコストだけでなく、こうした撤退時のリスクもしっかりと意識するべきです。

店舗は失敗がつきもの。積極的な行動を取りながらも、一方で冷静にリスクを分析できる人だけが成功できるのです。

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